ディスカスを上手に飼うコツとは

熱帯魚の王様といわれカラーリングや種類を含め1つの魚種でこれほど多くの品種が存在するのはディスカスだけではないでしょうか。

赤、青、黄色を始め非常のカラフルな色彩は淡水魚の中でも他にはない美しさを持っています。
更に水槽内で繁殖も可能となりその楽しみ方は様々です。
 
このことからディスカスは熱帯魚の王様と言われ人気の所以といえます。

その一方、ディスカスは飼育が難しいとか、世話が大変だといったこともよく聞かれますが、
 
どの魚種においても飼育するにあたり必ずコツというものがあります。
 
このコツさえつかめば、本来ディスカスは非常に丈夫な種類となりますので手軽に飼育することが可能となるでしょう。
今回はディスカスを上手に飼うコツを弊社の飼育をもとにご紹介させていただきます。
 
まずディスカスの飼育において必ず押さえておかなくてはならない点がございます。
まず重要な点は他種と同様ディスカスは水の中で生息しておりますから水槽内の飼育水が非常に重要な点となります。

まずはこちら
よろしければ立ち上げの際の手順を記載しておりますのでご覧ください。

では、本題となります。
★ディスカス飼育がスタート!!飼育水について(水槽立ち上げから1か月まで)
 
どの魚種においても当てはまることでありますがまずは魚を水槽内で飼育するにおいて絶対的に重要なのが飼育水となります。
その飼育水も見た目が透明でピカピカの飼育水(新水)が適切というわけではなく、
あくまでもディスカス飼育において適切な飼育水となりますと、硝化菌や脱窒素菌といったバクテリアがアンモニアや亜硝酸、硝酸塩といった有害な物質を分解できる状態にある飼育水を言い、
いわゆるフィルター内のろ過材に定着したバクテリアがよく働き、ろ過の良くできた「こなれた水」を指します。
またバクテリア以外にもフィルター内にはセットしたろ過材も非常に重要なグッズとなります。バクテリアがこのろ過材に定着することで本来の力を発揮します。市販のものになると多孔質なガラス系やセラミック系のろ過材があります。弊社では天然鉱物にゼオライトが中心部分に入ったオリジナルろ過材のスーパーゼオセラを使っています。このろ過材の特徴としては多孔質な表面ではバクテリアをしっかりと定着させ中心部分のゼオライトで水槽内の有害な物質を強力に吸着するダブル効果のある、ろ過材となります。
 
よってろ過材にバクテリアが定着した状態にもなると飼育水の透明度も非常に高くディスカスのコンディションも素晴らしい状態となるでしょう。(ここまでの期間が立ち上げから約1か月ほどとなります)
ここで上記の有害物質を分解する環境が整ったことを指します。
ただし、この水は水槽内に水を張りバクテリアを投入しただけではこの状態になることはありません。
ろ過材に定着し、かつ有害物質を分解するバクテリアの餌となるアンモニアや亜硝酸といった物がなければバクテリアが増殖することは出来ません。
有害物質はあれば問題となりますので言っていることが矛盾しているのでは?
となりますがあくまでもろ過の良くできた「こなれた水」は有害物質を分解できる量のバクテリアが存在し、かつ適切に活動している水槽を指します。
 
ですから
コラム:ディスカス飼育[Vol.1]-ディスカスが好む飼育水の作り方はこちら
で解説した手順で飼育水の土台を作っても水槽内にディスカスを投入しなければ「こなれた水」が出来上がることがないどころか、いずれ餌のない(分解する有機物)バクテリアは死滅してしまうこととなります。
特に新たに水槽をセットしディスカスを投入後はまずこなれた飼育水を作ることがディスカスを上手に飼うコツの第一歩となります。
既に立ち上げて数ヶ月以上経った水槽の話ではケースバイケースの話となりますので、今回は新規セットした水槽にディスカスを投入したところから話を進めてゆきます。

ディスカス投入前の準備を終え、いざディスカスを投入したとします。
投入初日は、よほどのことが無い限り給餌は控え、また水槽の照明も環境に慣れていないため消している方が無難です。
投入翌日より徐々に給餌を始めますがはじめはボソボソと少しづつ餌を食べることが多いのであまりたくさんの餌を投入することは控えた方がよいでしょう。
小さなサイズの個体であれば長く餌を与えないと痩せてしまうことがありますが、経験上小さなサイズほど餌付きは早いので安心してください。ただし与える量は控えめにしてください。
その後2~3日ほどたつと環境に慣れてくるので餌の量も徐々に増えてくるはずです。
ここで重要なのがいかにこなれた適切な飼育水を作るのかという点となります。
せっかく作った飼育水で失敗する事例として、
新たにセットした水槽→バクテリアは投入したが活発に活動していない→多量な餌を与える→バクテリア分解が追い付かない→飼育水がつぶれる(白濁や匂いがする)→ディスカスの調子が悪くなる
簡単に言いますとこのようなことなります。
ですから注意しなければならないのはろ過のよくできた状態までしなければならないので給餌量の調整と適切な換水となります。
ディスカス投入から1週間は給餌量は少なめにかつ投入初期に作った飼育水を維持することが重要です。
さてディスカス投入から1週間ほどたちいざ換水へ・・・・。

さて適切な換水とは一体何なのか?
水替えの周期はどのくらいですかとよく質問されることがあるのですが絶対的な答えは無くあくまでも飼育している水槽の水量、飼育しているディスカスのサイズと匹数によって変わります。
ただ、必ずいえることは立ち上げ初期に大きな換水は控えた方がよいということだけは間違いありません。
ディスカス投入前に行ったことは水槽内のPH(ペーハー)が上がらないようにPHマイナスなどで調整したかと思います。これはディスカスがPH上昇する飼育水を嫌うからです。
理想的な飼育水とはバクテリアがろ過材に定着し有害物質を分解、かつ1日にPHが徐々に(0.1~0.2ほど)下降する水のことです。
 
PHメーターで測定することが大切です。
 
PHが徐々に下降してることは有害なアンモニアや亜硝酸を分解している証拠とも言えます。
この状況になれば立ち上げ初期はクリアしたといえるでしょう。
この状況になるのは立ち上げから約1か月後くらいとなります。
ですが・・・、立ち上げ初期に良く起こる状況として代表的なのがディスカスが非常に過敏に怯える、または水槽の隅っこでこちらをじっと見ている。餌は食べているようだが見ているところでは全く食べておらず知らない間に餌がなくなっている・・・など。
この状況はバクテリア分解がしっかりと行われていない状況です。立ち上げ初期にはよく起こることです。決して病気などではありませんし、対処法もあります。
その状況の目安はおそらくPHが常に一定、ないしは投入後から徐々に上昇していることがほとんどです。
良くも悪くをディスカス=換水のイメージがありこの状況でよく陥るのが調子が悪いからと思い大きな換水をおこなうことなります。換水は正解としても‘‘ディスカスがPHが上昇する飼育水を嫌う‘‘ことを忘れずPH上昇が大きくないように換水の分量は多くても25%までとし適量は20%くらいとし、その際にはPH調整をした(約6.0~6.5)汲み置いた水で換水を行ってください。
換水で有害な物質を取り除きろ過材に定着したバクテリアのサポートを行い「こなれた水」を作ってゆくのです。
最後にバクテリアの追加を行うとベストといえます。
大きな換水、また汲み置きをしていない水で換水を行うとPHが上昇し元も子もない状態となりますのでご注意を・・・・。
水槽サイズ(水量が多い)や匹数の加減(投入匹数が水槽サイズに対して少ないなど)で、どうしてもPHが下降しない、または怯えが収まらない場合はブラックピートを入れてPH下降を促進してみるとよいでしょう。
※水槽内にディスカスがすでに入った状態ではPHマイナスは絶対に使用しないでください。
 
ディスカス自体もグッと落ち着きますし、安全にPH下降を行うのみならずブラックピートには殺菌作用もありますのでお使いになられるとよいでしょう。
1か月後素晴らしいコンディションとなり餌をねだり手をかざすと寄ってくるディスカス飼育の醍醐味を味わうことが出来ます。
まずは理想的な飼育水の第一歩となりました。


(立ち上げから1か月以降)
立ち上げから1か月ほどが経ちディスカスのコンディションも上々といったところでしょうか。このころはPHの下降も緩やかに1日0.1~0.2ほどの下降であった飼育水も2か月3か月と期間が経つにつれて下降する幅が大きくなってきます。(目安は1日に0.3から0.5以上)そのあたりから換水の量も増え30%ほどの換水を行い下がった分のPHをもとの数字に上昇させることを行います。
徐々にPH下降する飼育水となったころから汲み置きタンクで作る水のPHは7.0あたりで作ると下がったPHをもとに戻すことができます。飼育水のPHと同じ数値で汲み置き水を作るとPHはどんどん下降するのでご注意ください。
しかし、換水を行ってもすぐに下がり、更には上り切らない状態やまたは翌日にはもとのPHに・・・、の状況が続くとそろそろフィルター内のろ過材のメンテナンス時期が来ている目安となります。
フィルターの1層目(ろ過材に上など)には多くがウールマットを敷いていると思いますが大きなごみや汚れは取り除けても取り除けない物質はろ過材やフィルター内で目詰まりを起こしている可能性があります。それが原因で飼育水のPH下降が大きくなっているのです。
ですからフィルター内のろ過材を飼育水で洗浄し(軽く)目詰まりの原因を取り除いてやることが重要です。それでもPH下降が洗浄前と変化がなく下降が大きい場合はろ過材を半分交換してください。
また水槽内のガラス面などにぬめりなどがついている場合もスポンジ等でコケを取る容量で擦ってやるとより良いでしょう。この水槽内のぬめりもディスカスにとっては良くありません。
また、その際に水槽内はろ過材交換のため濁ることがあります。ですがよほどのことが無い限り換水は同時に行わない方がよいでしょう。ろ過材交換、換水で水質に2度変化が起きますから、もし濁りがひどい場合は翌日以降に行っていただく方が良いでしょう。。
またバクテリアの追加も行い新しいろ過材への定着を促すとベストです。

※ろ過材の交換方法はこちら

基本的な飼育に関しては換水&ろ過材のメンテナンスの繰り返しとなります。飼育している水槽サイズやディスカスのサイズや収容匹数によってこの状況は変わりますのでPHメーターや各種テスターなどで現状の飼育水の状況を見ているとろ過材の交換や換水のタイミング、その量などの目安ができますので是非飼育水は測定してもらうと良いでしょう。
あくまでもPHを基準に考えると換水は下がったPHをもとに戻すこととなりますが、立ち上げからの期間や、濾過槽内のろ過材の使用期間などでも変わります。ですが水槽内のPH変化は極力大きくなく、かつ徐々に下降している状態がベストといえますのでこの状態を維持することが重要となります。

ただPHばかりが全てでは無いのであくまでも目安となり、基本は飼育しているディスカスの餌食いが、良い状態を継続することになります。

 

 

理想的な状態↓




手をかざせば全ての魚が寄ってくる状態をキープしてやるため、飼育水はやはり重要です。

 

ご不明な点がございましたらディスカス担当 上村まで

E mail info@petballoon.co.jp

TEL 072-272-5302